【Windows】Windows Server 2022 NTPクライアント設定手順

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今回は、Windows Server 2022のNTPクライアントの設定を行っていきます。
また、既にNTPサーバの設定を入れているWindows Server環境でActive Directoryドメインに参加した場合のNTPクライアントの挙動を確認してみたいと思います。

期待する目標

本手順で期待する目標は以下の通りです。

  • Windows Server 2022でNTPクライアントの情報を取得できる
  • NTPクライアントの同期ができる
  • Windows Server 2022でNTPサーバの宛先を変更できる

今回、Windows Server 2022でNTPの検証を行いましtが、たぶんWindows クライアントでもNTPクライアントの設定が可能だと思います。

前提条件

本手順で使用する環境は以下の通りです。

  • OS : Windows Server 2022 Datacenter Evalution
  • CPU : 2vCPU
  • MEM : 4GB
  • DISK : 60GB
  • ドメイン : 未参加
  • NTPクライアント設定 : 未設定

検証を開始する際には、ドメインへ未参加およびNTPクライアントの設定を行っていません。

NTPクライアントの状況確認

Windows Server 2022のインストール直後のNTPの状況を確認してみたいと思います。

時刻を自動的に設定する
時刻を自動的に設定する

[設定]-[時刻と言語]-[日付と時刻]より、時刻同期が有効になっていることを確認します。
自動同期が有効になっている場合、WindowsのデフォルトのNTPサーバに対し、時刻同期が有効になっています。

管理者コマンドプロンプト起動
管理者コマンドプロンプト起動

NTPクライアントの詳細を確認するため、[管理者権限でコマンドプロンプト]を起動します。

NTP同期先確認
NTP同期先確認

コマンドプロンプトより、以下のコマンドを実行します。

C:\Users\Administrator>w32tm /query /status
閏インジケーター: 0 (警告なし)
階層: 4 (二次参照 - (S)NTP で同期)
精度: -23 (ティックごとに 119.209ns)
ルート遅延: 0.0088088s
ルート分散: 0.0708191s
参照 ID: 0x142B5EC7 (ソース IP:  20.43.94.199)
最終正常同期時刻: 2023/07/06 1:12:39
ソース: time.windows.com,0x8
ポーリング間隔: 9 (512s)


C:\Users\Administrator>

Windowsのデフォルトだと、[time.windows.com]に同期されています。
階層が4となっているので、ルートから4階層目で同期されています。

C:\Users\Administrator>w32tm /query /configuration
[構成]

EventLogFlags: 2 (ローカル)
AnnounceFlags: 10 (ローカル)
TimeJumpAuditOffset: 28800 (ローカル)
MinPollInterval: 6 (ローカル)
MaxPollInterval: 10 (ローカル)
MaxNegPhaseCorrection: 54000 (ローカル)
MaxPosPhaseCorrection: 54000 (ローカル)
MaxAllowedPhaseOffset: 1 (ローカル)

FrequencyCorrectRate: 4 (ローカル)
PollAdjustFactor: 5 (ローカル)
LargePhaseOffset: 50000000 (ローカル)
SpikeWatchPeriod: 900 (ローカル)
LocalClockDispersion: 10 (ローカル)
HoldPeriod: 5 (ローカル)
PhaseCorrectRate: 1 (ローカル)
UpdateInterval: 100 (ローカル)


[タイム プロバイダー]

NtpClient (ローカル)
DllName: C:\Windows\system32\w32time.dll (ローカル)
Enabled: 1 (ローカル)
InputProvider: 1 (ローカル)
AllowNonstandardModeCombinations: 1 (ローカル)
ResolvePeerBackoffMinutes: 15 (ローカル)
ResolvePeerBackoffMaxTimes: 7 (ローカル)
CompatibilityFlags: 2147483648 (ローカル)
EventLogFlags: 1 (ローカル)
LargeSampleSkew: 3 (ローカル)
SpecialPollInterval: 1024 (ローカル)
Type: NTP (ローカル)
NtpServer: time.windows.com,0x8 (ローカル)

VMICTimeProvider (ローカル)
DllName: C:\Windows\System32\vmictimeprovider.dll (ローカル)
Enabled: 1 (ローカル)
InputProvider: 1 (ローカル)

NtpServer (ローカル)
DllName: C:\Windows\system32\w32time.dll (ローカル)
Enabled: 0 (ローカル)
InputProvider: 0 (ローカル)

[w32tm /query /configuration]コマンドを実行すると、NTP設定の詳細が表示されます。
NTPのTypeがNTPになっており、NTPサーバを参照するように設定されています。
[NtpServer]には、MicrosoftのNTPサーバである[time.windows.com]が設定されています。

C:\Users\Administrator>w32tm /query /source
time.windows.com,0x8

ついでに、単純にNTPクライアントの参照元のみを表示する場合は、[w32tm /query /source]コマンドを実行することでNTPの参照元を確認することができます。

NTPサーバの参照先設定

NTPの参照元が分かったので、NTPサーバの設定を変更していきます。
以下のコマンドでNTPクライアントの参照先を変更することができます。

C:\Users\Administrator>w32tm /config /syncfromflags:manual /manualpeerlist:ntp.nict.jp /update
コマンドは正しく完了しました。

C:\Users\Administrator>

今回は、日本のnictにNTPクライアントの参照先を変更してみました。
NTPの設定変更をしたら、必ず確認するようにしましょう。

C:\Users\Administrator>w32tm /query /source
ntp.nict.jp

C:\Users\Administrator>
C:\Users\Administrator>
C:\Users\Administrator>
C:\Users\Administrator>
C:\Users\Administrator>w32tm /query /status
閏インジケーター: 0 (警告なし)
階層: 2 (二次参照 - (S)NTP で同期)
精度: -23 (ティックごとに 119.209ns)
ルート遅延: 0.0055455s
ルート分散: 7.7660892s
参照 ID: 0x85F3EEF4 (ソース IP:  133.243.238.244)
最終正常同期時刻: 2023/07/06 1:19:29
ソース: ntp.nict.jp
ポーリング間隔: 9 (512s)


C:\Users\Administrator>

NTPクライアントの変更を行った場合、NTPクライアントの参照先アドレスと、NTPの最終正常同期時刻を確認しておきます。
ついでに、NTPをnictに変更したら、階層が2となったので、上位にnictの1サーバのみの構成となりました。

NTP設定をした状態でドメインに参加してみる

はい、今回検証したかった部分です。
NTPクライアントは、ドメインに参加していない状態且つ、デフォルトの状態だと[time.windows.com]を参照しています。
NTPクライアントがデフォルトの状態でActive Directoryのドメイン参加を行うと、ドメインコントローラがNTPサーバとなり、ドメインに参加したWindows Serverはドメインコントローラに向けてNTPクライアントを設定するようになります。
ただし、これは事前にNTPクライアント側でNTPサーバの指定をしていない場合であり、今回のようにNTPクライアントをデフォルト以外の値に設定したらNTPクライアントはドメインコントローラを向くのか?を確認していきたいと思います。

ドメイン参加前のNTP設定
ドメイン参加前のNTP設定

ドメイン参加前は前項でnictを指定したので、nictがNTPクライアントの参照先になっています。

ドメイン参加
ドメイン参加

ドメインに参加しました。

ドメイン参加後のNTP設定
ドメイン参加後のNTP設定

ドメイン参加後に、[w32tm /query /status]を実行したら、NTPクライアントの参照先がnictになっていました。

まとめ

今回は、Windows Server 2022のNTPクライアントの設定を行いました。
NTPクライアントの設定自体は、コマンド一発で変更ができました。
実際のところ、NTPクライアントの設定は副産物的な感じになりましたが、NTPクライアントにNTPの設定を行ったところ、ドメイン参加後にNTPクライアントがADを向かないという挙動になりました。
ドメイン参加前のサーバOSに単独でNTPクライアントの設定を入れているというのはレアケースだと思いますが、このような挙動になるんだなーと思いました。

おまけ

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